最近部下の様子がなんだかおかしい、、、突然「退職します」なんて言い出すんじゃないと不安。
部下が退職を決意したときの前兆を、いち早くキャッチすることで、不安の現実化を未然に防ぐことができるかもしれません。
本記事では、下記の内容を解説します。
- 部下が退職するかもしれない、その前兆とは
- 部下が退職しそう、どんな対処をすれば、、、
- 上司が普段から心がける、たった一つのこと
この記事を書いている僕は、不動産投資会社で4年間勤務していました。
不動産業界は人の出入りが多い業界です。僕はこの4年間で、多くの退職者をみてきました。
その中で、今回は『部下が退職を決意したときの前兆』について解説していきたいと思います。
部下が退職するかもしれない、その前兆とは
僕がこれまでに見てきた中で、退職する人に共通して、下記のような前兆があります。
前兆①:消極的になった
前兆②:引き継ぎを始める
前兆③:資格の勉強を始める
前兆④:不満を言わなくなった
前兆⑤:会社を休む日が増えた
前兆⑥:周囲と接する態度が変わった
前兆⑦:デスク周りがキレイになった
前兆⑧:退職する予定の人とよく話をする
前兆⑨:指示したことに対して反論しなくなった
前兆⑩:上司から依頼された仕事を他の人に振るようになった
前兆⑪:今まで関心のなかったことに関心を持つようになった
上記の中で、「ハッ」と思い当たる方もいるんじゃないでしょうか?
それでは、どういうことかをひとつずつ見ていきましょう。
前兆①:消極的になった
今まで積極的に仕事に取り組もうと、熱いやる気を感じていたのに、それが突然、熱が冷めたかのように、何もしなくなった。
原因は、「これ以上頑張っても無駄」と悪魔のささやきが聞こえているからです。
次の就職先のことを考えているにかもしれませんし、なんとなく毎日を過ごしているのかもしれません。
部下が急に消極的になったときは、『最近やる気がないなぁ』で片付けず、何か悩んでいることはないかとか、注意深く観察してみましょう。
前兆②:引き継ぎを始める
後輩に仕事を教えているのかと思いきや、自分の仕事を後輩に引き継ぎしている、、、。
そんな衝撃的な現場を目撃してしまったら、心の準備をしたほうがいいかもしれません。
引き継ぎするということは、よほどの覚悟を決めたか、あるいは次の職場がもう決まったかのどちらかです。
前兆③:資格の勉強を始めた
部下から「スキルアップのために資格を取ろうと思うんです」と言われたときは注意が必要です。
今の会社で出世するためのスキルアップなのか、それとも転職するためのスキルアップなのか、どちらなのかがわかりません。
出世のためのスキルアップなら喜ばしいことですが、そうじゃなかったら悲しいですね。
前兆④:不満を言わなくなった
今まで「残業が多い」とか「給料が安い」とか、不満を言っていた部下が、ある日急に不満を言わなくなった。
「あいつもやっと仕事がどういうものかわかってきたな」と感心している場合ではありません。
確かに、仕事に慣れてくると、不満を言わなくなることはあります。
ですが、もう一つ考えられる理由があります。
それは「もう辞めるから、どうでもいいや」です。
このように、会社に対して『諦めモード』のときは不満も言わなくなるので、注意しましょう。
前兆⑤:会社を休む日が増えた
今まで会社を休むことなんて、ほとんどなかった部下が、頻繁に休みを申請するようになった。
しかも連休を。
連休を申請する理由には、下記のようなことが考えられます。
■転職活動に専念するため、まとまった休みが必要
■他に力を入れたいことがあるため、まとまった休みが必要
■実家に帰ってゆっくり考えたいから、帰省するためにまとまった休みが必要
いずれにしても、連休を申請してきたときは、自分の身の振りを考えようとしている可能性があります。
前兆⑥:周囲と接する態度が変わった
以前はピリピリしていたり、イライラして機嫌が悪かった部下が、急に落ち着いたり、イライラすることがなくなり、余裕を持つようになったら注意が必要です。
ピリピリしたり、イライラするのは抱え込んでいるものを、うまく処理しようと踏ん張っているからなんです。
退職を決めたら、肩の荷が降りたというか、今までのように抱え込むものがなくなるので、ピリピリもイライラもしないんです。
前兆⑦:デスク周りがキレイになった
いつもは整理整頓ができていない部下が、急に整理整頓を始めたら黄色信号です。
『立つ鳥後濁さず』でして、「最後くらいは身の回りをキレイにしておくか」と考えるのが、退職を決意した人の心理です。
特に注意が必要なのは、昔を振り返るように懐かしそうに整理整頓をしている人です。
すでに、退職することを決意している可能性があります。
前兆⑧:退職する予定の人とよく話をする
退職を考えている人は、退職したいという気持ちと、退職したあとはどうすればいいのか、というふたつの気持ちの間を行ったり来たりしています。
そこに退職が決まった人が現れたら、相談して情報を得ようとするのが自然です。
すでに退職が決まっている人に頻繁に話しかけるようなら、注意が必要です。
前兆⑨:指示したことに対して反論しなくなった
以前は、もっと自分の考えを持っていて、「こうしたほうがいいんじゃないですか?」と意見してきたのに、最近では自分の意見を主張しなくなったら注意が必要です。
自分の意見を主張するということは、会社をよくしようとする意気込みでもあります。
つまり、意見を主張しないということは、意気込みがなくなったということです。
仕事に対する意気込みがなくなると、待ち受けているのは『退職』の二文字です。
前兆⑩:上司から依頼された仕事を他の人に振るようになった
以前は、上司から依頼された仕事は、責任を持って取り組んでいたにもかかわらず、それを他人に振るのは、引き継ぎの一種です。
上司から引き止められずに会社を辞める方法として、『会社での自分価値を下げる』という方法があります。
仕事を他の人に振るということは、自分にしかできないことを、他の人でもできるようにしておくことで、スムーズに退職しようとする狙いがあるんです。
前兆⑪:今まで関心のなかったことに、関心を持つようになった
『有給休暇の残日数』や『ボーナスの有無』など、
今までさして興味がなかったのに、急に興味を持ち始めたら注意が必要です。
有給休暇をどう消化しようかとか、どうせなら、ボーナスだってもらいたい。
部下が普段興味を持たないようなことに、急に興味を持ち始めたら注意するようにしましょう。
部下が退職しそう、どんな対処をすれば、、、
「部下が退職しそう、、、」そんなときだとしても、落ち込んでいる場合ではありません。
上司たるもの前を向いていなくてはいけないんです。
この場合とるべき手段は二つです。
①:部下との面談を実施して、引き止めにのり出す
②:潔くあきらめて、部下が抜けた後の穴埋めに走る
《①の面談を実施する場合》
部下の抱えている不安をヒアリングして、どのように対処していくことが、部下にとって最適解なのか、上司と部下ですりあせることが必要です。
《②の穴埋めに走る場合》
今残っている部下も同じようなことにならないために、注意して部下を観察することが必要です。一人の退職をきっかけに、後に続く人が出ないとも限りません。
なお、下記の記事では『部下の様子がおかしい原因』について解説していますので、よろしければ参考にどうぞ。
参考記事:»»【見落とし厳禁】部下の様子がおかしい原因【部下からの5つのサイン】
上司が普段から心がけるたった一つのこと
上司が普段から心がけることはたった一つです。
それは『部下の観察』です。
実は、部下は何か困ったことがあったときや悩みがあるときは、上司にサインを送っているんです。
部下からのサインや仕事上の異変に気がつかないのは、部下をしっかり見ていない証拠です。
部下だって自分を見ていない上司に、ついていこうとするでしょうか?
上司にも言い分があるかもしれません。
- 部下と違って、たくさんの仕事を抱えているんだ
- 部下だって一人じゃない、大勢いるんだ
と、言いたくなるかもしれません。
ですが、部下からしたら、上司はあなた一人なんです。
あなたが見ないで、誰が見るんですか?
普段から部下のことをよく観察していると、部下の異変にもいち早く気がつきますし、そもそも、異変なんて起きないかもしれません。
もちろんただ観察するだけじゃなくて、ときには褒めてあげたり、ときには叱ってあげたりしましょう。
まとめ
僕がこれまでに見てきた、退職する人の前兆11個でした。
思い当たるところもあれば、思い当たるところがないのもあるかもしれません。
しかし、退職を考えている人は必ずといっていいほど、何かサインを出しています。
そのサインに気がつくことができるのかどうかが重要です。
また、退職の意思を固めた後に気がついたとしてももう遅いんです。
部下からのサインは下記の記事でも紹介していますので、興味ある方はチェックしてみてください。
参考記事:»»【見落とし厳禁】部下の様子がおかしい原因【部下からの5つのサイン】
ということで、今回は以上です。