
アパートの契約のときに、『重要事項説明書』と『契約書』にサインしたんだけど、この2つって何が違うの?
この記事では、不動産契約で大事な『重要事項説明書』と『契約書』の違いについて解説しています。
「重要事項の説明をされたのはいいけれど、その内容がいまいちよくわからない」という方の参考になれば幸いです。
本記事では、下記の内容を解説します。
- 重要事項説明書と契約書の違い
- 重要事項説明書の項目
重要事項説明書と契約書の違い
初めに、『重要事項説明書』と『契約書』の違いについて、みていきましょう!
重要事項説明書とは
重要事項説明書とは、これから借りようとしているアパートが、どんなアパートなのか、
アパートに住むとしたら、どんなルールを守らなければならないのか、そういったことを説明するための書類です。
簡単にいうと、これから住むかもしれないアパートの、取扱説明書のようなものです。
取扱説明書だからって、簡単な説明で終わってはいけなくて、法律で説明しなければいけない項目というのが決められているんです。
例えば、
- 物件の名前や大家さんが誰なのか
- 家賃はいくらなのか
- 契約期間はいつまでなのか
- どういうルールを守る必要があるのか
などが記載されています。
重要事項の説明は、必ず契約の前にしなければならないと、法律で決められています。
契約書とは
入居希望者が「この部屋を貸してください」と大家さんに言って、大家さんが「いいですよ」という約束を書面にしたものです。
人の記憶は曖昧なものです。それが何年も先になると、もはや覚えていないこともあります。
アパートの契約ってほとんどの場合、2年という契約期間のところが多いんです。
この2年の間に
- 一方が、約束を忘れてしまうかもしれません
- 約束した一方と、連絡が取れなくなるかもしれません
このように、退去するときに、契約の時にした大事な約束を、なかったものにしないために、書面として残しておくんです。
余談ですが、民法上、契約はお互いの意思表示だけで成立します。
例えば、コンビニで買い物するときに「〇〇ください」と言って、「△△円になります」と会計して終わりますよね。
つまり、買い手側の「ください」という意思表示に対して、売り手側の「いいですよ」という意思表示で、この場合だと売買契約が成立します。
契約書なんていらないんです。
ですがアパートの契約ですと、数年後退去する際に「あの時と言ったことが違う」とトラブルになることが多いのです。
そうなってしまうと、言った言わないの口論になってしまうので、それを防ぐという意味もあって契約書という書面にして残しているんです。
重要事項説明書と契約書を一つの書面にできないの?
「なんで重要事項説明書と契約書って別々の書面にしなきゃいけないの?一つの書面ならたくさんサインしなくて済むのに」
と思われるかもしれません。ですが、それではダメなんです。
というのも、上記で解説したように、重要事項説明書と契約書はそれぞれ別の役割があるんです。
- 重要事項説明書→取扱説明書
- 契約書→約束したことを証明するための書面
不動産の契約では、高額な金銭がやりとりされます。
そのため、不動産業者には、買い手側または借り手側に対して、十分な説明をした上で、納得してから契約するという、順番が決められているんです。
「約束する前に、まず説明しなさい」ということですね。
そして、この『①:重要事項説明』→『②:契約』という順番は法律で決められているので、不動産業者が順番を変えることはできません。
ついでに、「重要事項説明をされたから、契約をしないといけないのでは?」と勘違いされる方が多いですが、答えは、”NO”です。
重要事項説明は、あくまでも説明なので、詳しく説明されたからといって、買わないといけないことはありません。
むしろ、高い買い物をするわけですから、詳しく説明してもらわないと買えませんよね。
アパートに入居するにあたって、
- こんなルールがあるなんて知らなかった
- この条件では契約できない
と思ったら、重要事項説明の後に、「やっぱり考え直します」と言って契約を断っても、なんの問題もありません。
重要事項説明書の項目
ここでは、重要事項説明書に記載されている項目について、簡単に解説していきたいと思います。
登記記録についての事項
ここには所有者が記載されています。ちなみに貸主と所有者は違います。
賃貸であれば多くの場合、管理会社が貸主として、間に入っているので気にしなくてもいいと思います。
賃金に関する事項
家賃などの金額が記載されています。余計な金額が書かれていないかよく確認した方が良いですね。
報酬額
仲介業者に支払う仲介手数料が記載されています。
契約期間
いつからいつまでの契約なのかが記載されています。
ここで注意するのは更新期間です。
1年後に更新するのか、それとも2年後に更新するのか確認した方が良いです。
更新の時に更新料がかかることもあるので、前もって把握しておきたいところです。
法令に基づく制限
賃貸の場合ここは気にしなくていいと思います。
なにが書いてあるのかというと、建物が建っている地域が法律で指定されている地域かどうかが記載されています。
売買だと指定されている地域内で建物を建てるときは一定の要件を満たさないといけなかったり、そもそも建物が建てれない場所の可能性もあります。
賃貸であれば建物はすでに完成しているので、気にしなくても良いかと思います。
飲料水・電気・ガスについて
ライフラインについて記載をするところです。
ガスがプロパンガスなのか都市ガスなのか、水道が公営なのかどうか(地方だと井戸水や浄化槽のところもあります)が記載されています。
もし、浄化槽と記載されていたら、浄化槽の費用は入居者が負担するのか、それとも大家さんが負担するのかも確認した方がいいでしょう。
用途その他の利用制限
部屋の使い方が記載されています。「事務所として使ってはいけません」や「ペット禁止」などが書かれています。
「居住用ではなく、事務所として使いたい」など、特別な目的がなければ、気にしなくていいかと思います。
契約の解除に関する事項
どんな場合に契約を解除されるのか、また退去するときは、いつまでに知らせないといけないのかが記載されています。
また、大家さんの事情で退去してほしいときは、いつまでに入居者に伝えなければならないのかも記載されています。
反社会勢力に関する事項
「反社会勢力の方ではないですよね」という確認です。
損害賠償の予定又は違約金に関する事項
「部屋を壊したりするとその損害を請求しますよ」という内容です。ここも注意が必要です。
一般的に「故意・過失があった場合」とされていますが、故意(わざと)はわかりますが過失(うっかりミス)はどこまでが過失とされるのか曖昧です。
1998年に国土交通省がガイドラインを発表しましたが、あくまでもガイドラインで法的な拘束力はありません。
ですので、事前に確認することをおすすめします。
敷金に関する事項
退去のときの敷金はどうなるのかが記載されています。
賃貸で、一番多いのがこの敷金トラブルです。
退去時の敷金は、どうなるのか、ここも注意した方がいいですね。
支払金又は預かり金の保全措置の概要
賃貸契約は気にしなくOKです。「講じない」になっているはずです。
簡単に説明すると不動産売買契約だといろんな費用がかかります。固定資産税や登記費用、ローンにかかる費用など。
これらは支払いのタイミングが違うので、その都度買主が支払うのは面倒。
そこでこれらの金銭を不動産業者に預けておき、その時々にあわせて不動産業者が買主に代わって支払うのです。
この支払金・預かり金の保全措置をしているかどうかを確認する項目です。
ただ、保全措置を講じるとなると時間も費用もかかりますし、法律上保全措置を講じるかどうかは任意なので「講じない」とすることが多いようです。
金銭貸借の斡旋
ここも気にしなくてOKです。
不動産売買で住宅ローンを使うとき、そのローンの内容とローンが通らなかったときどうするのかを説明するための項目です。
特約事項
そのアパートもしくはその部屋にだけ適用されるルールのようなものが書いてあります。
ここは注意が必要で、「退去の時の家賃は日割りしない」とか「退去の時はクリーニング費用として〇〇円支払う」などが書かれていることがあります。
個人的な意見になりますが、特約事項には、借り手の不利になるようなことが書かれていることが多いんです。
なので、他の項目がわからなくても、この特約部分だけでも、重要事項説明のときによく確認した方がいいかと思います。
まとめ
重要事項説明をされたからといって、契約をしなければいけないわけではありません。
説明を聞いて「やっぱり違う」と思ったら断ってもいいんです。
もし、それで違約金を請求されたら、違法行為なのできっぱり反論しましょう。
とはいえ、そんな悪徳不動産業者ばかりではないので、怖がらる必要もありません。
大事なのは、しっかり説明を聞く、そして、わからないことはすぐに確認する。
この2点さえおさえていれば、後でトラブルになるようなことも少ないんじゃないかと。
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