不動産賃貸

賃貸契約でクーリングオフは出来る?【申込みを取下げたい人】

2020年2月1日

 

アパートを申し込んだけど、やっぱり考え直したい。クーリングオフって聞いたことあるけど使えるかなぁ

 

こんな疑問にお答えします。

 

本記事の内容

  • クーリングオフについて
  • 断りづらいときのはどうする?

 

クーリングオフ について

 

当記事では不動産賃貸(宅地建物取引業法)についてのクーリングオフ制度の解説をしています。

他の取引についてのクーリングオフについては下記のホームページが簡単にまとめていましたので、気になる方はそちらをどうぞ。

>>愛知県弁護士会

 

クーリングオフとは?    

クーリングオフとは売買契約締結後、一定期間内(法律上は8日以内)に「やっぱりやめます」といっても、相手から違約金や損害賠償を請求されないものです。

 

この制度は、消費者がよくわからないまま高額な買い物をしたときに、「一定の期間を設けるので、冷静になってよく考えてから購入するかどうかを決めてくださいね」といった趣旨のもので、消費者に冷静に考える時間を与えるために設けられた制度です。

 

例えば、あなたの家に突然、営業マンがものを売りに来た場合、営業マンの巧みな話術にのってしまい、高額な商品を買ってしまったときや、街を歩いているときに、キャッチセールスに合い強引に高額な商品を買わされたときなどです。

 

買いたくない商品を買わされたわけなので、こういった場合はクーリーングオフ制度が適用されます。

 

つまり「やっぱりこの商品は買わないので、お金返してください」と主張することができます。

 

申込みしたあとでもクーリングオフ出来るの? 

この場合、クーリングオフではなく、キャンセルという扱いになります。

 

クーリングオフとは、売買契約に対しての「やっぱりやめます」でして、申込みは契約ではないので、クーリングオフは適用されません。

 

なので、申し込みを撤回したい場合は、「キャンセルします」というだけでOKです。

 

すでに、申込金を払ったとしても、契約前の段階であれば、返金されるので安心してください。

 

「じゃあ、クーリングオフとキャンセルは具体的にどう違うの?」というと

・買う意思がないのに強引に買わされた(買ってしまった、契約した)→クーリングオフ

・買う意思はあったけど、途中で気が変わった(申し込みはしたけど、契約はまだしていない)→キャンセル

簡単にいうとこんな感じです。

 

不動産賃貸契約は『賃貸の契約』でして、『売買の契約』ではないので、クーリングオフ制度は適用されません。

 

買う意思とは

上記で説明したように、クーリングオフできるかどうかの判断基準で重要になってくるのは、買う意思をどこで表明したかなんです。

 

ここは注意が必要でして、例えば不動産会社の事務所で売買契約の申込みをした場合、クーリングオフは適用されません。

 

どういうことかというと、『わざわざ不動産会社の事務所まで出向いて、申込みをしたのだから、当然買う意思はあるはず』と判断されてしまうからです。

 

一方的かもしれませんが、これは宅地建物取引業法という法律で、クーリングオフができる場所とできない場所が定められています。

 

この辺りは少し複雑なところもあるので、よくわからない方は次の点を抑えれば大丈夫です。

 

不動産売買契約の申込みは、喫茶店またはファミレスでしたのならクーリングオフができる

 

キャンセルしたら申込金は返ってくるの? 

契約前であれば申込金は返ってきます。

 

申し込み=契約と勘違いされることが多いようですが、申し込みは仮契約のようなもので、申し込みをした時点ではまだ契約したことにはなりません。

 

申込みとは、入居審査の手続きみたいなものです。

 

当然契約ではないので、「申込金を返して」といえば仲介業者は返さなくてはなりません。

 

例えば、申込金を支払おうとしたら、お金が足りないことに気がついたとき

申込金1万円になります
今5千円しか持ち合わせがないです
そうですか、それなら5千円で結構ですよ。後から入居費用に充当しますね。

 

こんな感じのやりとりを経験したことはありませんか?

 

ここで、あなたは不思議に思ったはずです。

 

最初1万円って言っていたのに、5千円でもいいの?

 

実は、申込金というものは不動産仲介業界の慣習のようなもので、法律上では申込金を支払う義務はありません。

 

不動産賃貸の申込金について、法律上は規定がないので、金額は定まっておらず、仲介業者しだいなところがあります。(一般的なところでいうと1万円か、もしくは家賃1ヶ月分のところが多いのではないかと思います)

 

ですので、「申込金は返金できません」といわれるようなことがあれば、「それはおかしくないですか?」と臆せず反論しましょう。

 

もしそれでもダメなら、お住まいの地域の宅建協会または消費者センターに相談しましょう。

 

断りづらいときのはどうする?

 

申し込みしてから「やっぱり取り下げたい」と思っても、断りづらいときってありますよね。

 

親切に対応してくれたのに、なんか心が痛い・・・

 

気持ちはわかりますが、ここは勇気をだして断りの連絡をしましょう。

 

不動産業界では、申込みのキャンセルはよくあることなので、気にする必要はありません。

 

むしろキャンセルの連絡が遅くなればなるほど、トラブルになる可能性が高いので注意が必要です。

 

というのも、同じ部屋の申し込みが重ならないように、申し込みした段階で、ネットワークを使って部屋止めをします。

 

つまり、あなたがキャンセルをしない限り、他の人に部屋を紹介することができません。

 

キャンセルの連絡が遅いと「あなたが長い間部屋を止めていために、他のお客様に紹介できませんでした。その間入居者を募集することもできなかったので、違約金を請求します」といったトラブルになりかねなません。

 

なので、「やっぱりやめたい」と思ったら遠慮せず、理由を伝えてキャンセルしましょう。

 

後々のトラブル防止にもなります。

 

まとめ

 

申込みと契約はイコールではありません。

 

申込金を支払ったからといって、契約しなければならないわけではないですし、キャンセルすれば申込金は返ってきます。

 

ただ、注意してほしいところは、キャンセルをするのが遅くなると、あとでトラブルのもとになるので、キャンセルなどの断りの連絡は早めにしましょう。

 

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